喘息とはどんな病気なのでしょうか。喘息とは、正しくは気管支喘息といって、発作的に息が苦しくなり、呼吸のたびにヒューヒューとかゼイゼイという音が聞こえる病気です。
これは、気管支という肺の中の空気が通る道が種々の原因で狭くなってしまうために起こります。 こういう発作がひどくなると、横に寝ていられず、すわって肩で息をするようになります。一方、発作の時はこんなに苦しいのですが、おさまればケロッと元気になるのもこの病気の特徴です。 喘息になるとこういう発作をくり返し起こします。医師の所へ行って薬をもらえばすぐなおるというものではありません。肝に銘じておいてほしいのは、「喘息は医者任せでは治らない」ということです。治療の主役はご両親にあり、医師はその手助けをするにすぎないのです。 治療の際にまず必要とされるのは、根気と、親子の「必ず治す」という心構えです。子どもの喘息の多くはアトピー(アレルギー)体質に基づいています。現れる症状は氷山の一角のようなもので、人により、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎など様々なアレルギー疾患を合併します。また、年齢とともに現れるアレルギー疾患が変化していくこともよくあります。例えば、赤ちゃんの時は湿疹がよく出て風邪を引きやすく、少し大きくなったら、ゼーゼーいいはじめて喘息になり、小学校高学年になったら喘息はよくなったが、アレルギー性鼻炎になった、という具合です。



喘息発作はさまざまな原因で起こってきますので、治療を始める前に、お子様の喘息がどういうタイプの喘息か、その程度はどうか、などを調べる必要があります。そこで、私たちは、お子様とご家族に外来に来てもらい、いろいろ質問をさせていただいて、喘息の大まかなタイプと程度をみさせていただきます。 次に、いくつかの検査をさせていただくことになります。その主なものについて説明します。 (1)アレルゲンを調べる検査 a)血液検査で調べる方法……RAST法(ラスト法)、MAST法(マスト法) 喘息の原因となっているアレルゲンを血液検査で調べます。結果がわかるまでに1週間ほどかかります。 b)プリックテスト アレルゲンエキスを両腕の前腕に1滴ずつ滴下し、特製のハンコで上から押さえます。15分ほど待って赤く腫れていれば、陽性と判定します。 (2)IgE 血液検査でアトピー体質かどうかを調べます。IgEは血液中にあるアレルギー体質と関係した蛋白の一種で、アトピー(アレルギー)体質の人では異常に高くなります。 (3)肺機能検査 大きい子供さんでは肺機能検査を行います。肺機能検査では、肺活量だけでなく、ピークフロー(瞬間最大呼気流量)、1秒率(I秒間に肺活量の中のどれだけたくさんの息を吐き出せるか)、気道の過敏性などもみることができます。

(4)胸部レントゲン写真 発作をくり返す事によって、肺や気管支にどのような影響が出ているのかを調べます。 また、発作を起こすと、肺炎や気管支炎、無気肺(肺の一部に空気が入らなくなる)、皮下気腫、気胸(肺の一部に穴があき空気が漏れ出す)などの合併症をおこすことがあるので、それらを見落とさないためにレントゲン写真を撮ることもあります。 (5)その他の血液検査 クスリを使うことが多いので、定期的に貧血や肝機能の検査を行ったり、クスリの血中濃度を調べたりします。感染症の合併が考えられるときは、CRP(炎症反応の検査)なども調べます。



子供の喘息はどのような経過をたどるのでしょうか。 乳児のころ:カゼなどの感染にともなってゼーゼーという症状が起こるようになります。このころはまだ「喘息性気管支炎」といわれることが多く、はっきりと「気管支喘息」と診断されることはあまりありません。これは、この時期には喘息以外にもゼーゼーという症状を出す疾患が多いために、気管支喘息の診断をしにくいからです。 幼児期になると:カゼなどの感染に関係なくヒューヒュー、ゼーゼーという喘息特有の症状が出てくるようになります。つまりこの時期に喘息と診断されることが多いのです。小児の喘息は5~6歳までにその80~90%が発症します。 思春期になると:約70%の人は発作が起こらなくなってきます。だいたい30%の人は成人まで続くということですが、だいたい20%は軽症化しながら移行し、10%がそのまま持続して難治化するといわれています。 再発について だいたい2年間、発作がなければ喘息が治ったといわれていました。しかし、治ったようにみえても、2~3年後に再発してくることがあります。その率は20~30%といわれています。成人になって再発する人が4%くらいいます。 思春期になって、喘息発作の起こる回数が減ってきても油断せずにきっちり通院してください。治療の中止、通院の中止は医師と相談の上で行うようにしてください。通院が大変なのはわかりますし、できるだけ薬は使いたくないという気持ちはわかりますが、自己判断で治療を中止し、思春期や成人になって救急外来で点滴を受けたり、入院したりといった人は決して少なくないのです。